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2015年8月19日 (水)

動物医療の進歩(人工尿管)

今日は猫の人工尿管に関する話題。文章が長くなるので、興味ない方はスルーしてね。

サヴィは、3歳の時に左側の尿管で詰まった結石が発端となり、左の腎機能を失った。幸い、右腎臓機能は残り、慢性腎不全ではあるものの、今年6月には8歳の誕生日を迎えた。

入・退院時は輸液は欠かせなかったが、その後は腎臓サポート食に切り替え、ACE阻害薬(血圧や体液バランスを保つ働きをする)のみ。その後、左尿管の石はどうなったか・・・積極的に検査もせず、不明。

元気だが、体重減少は否めないこの頃。また石が出来て、流れている方の右尿管に詰まったらという・・・心配は尽きない。

そんな折、友人、知人から「人工尿管」のことを聞き(情報をくださってありがとうございました)、あらためて動物医療の進歩に驚かされる。

以下は、素人の興味からシュウ酸カルシウム結石で尿管閉塞を起こした場合について調べた個人的参考目的であり、内科的~外科的処置を含め、人工尿管の留置の可否、メリット、デメリットは、当然、これらに熟知した獣医師から適切に説明を受けるべきであることを、予めご理解頂きたい。

結石による尿管閉塞と診断されたら、内科療法(静脈輸液など)で閉塞が解消されない場合、尿路確保のため

  • 尿管切開により結石除去(尿管の細さや、結石の数などに左右されそう)
  • 尿管転植:尿管の詰まっている部分を切り取って、膀胱に繋げる(部位や結石の数によっては難しいのかな)
  • (腎瘻チューブ:腎臓に直接チューブを入れて尿排泄させる緊急的処置)
  • 人工尿管(カテーテルやバイパス)の留置

の外科的療法が考えられるようだ。

人工尿管は、2種類。尿管切開等ができない場合の手段。

  1. 尿管ステント:尿管に管を入れて、尿路を確保
  2. SUB(Subcutaneou Ureteral Bypass):尿管とは別に、腎臓-膀胱をつなぐバイパスシステム

1.に関しては、PDF版で「腎盂拡張の認められた猫に対する尿管ステント留置術の臨床的検討」桑原康人ら(日獣会誌 67 333-339 (2014))の文献がヒットするので参照されたし。

2.は、国内においても、いくつかの動物病院がHP上で紹介している(SUB 猫 尿管でググってみた)が、1.同様、その留置手術ができる病院や獣医師は多くなく、術式を熟達した医師でないと・・・という印象を受ける。

先駆導入しているアメリカの獣医師らがネットで公開している資料などに目を通してみて理解できることは、1.の場合の術後のリスク(ステントの移動、断裂、尿漏れや、結石による再閉塞)を軽減するデバイス(管が太く、留置したままポート部から洗浄もできる)だということ。もちろんSUB自体にも、チューブの折れ、感染症等というリスクがないわけでもない。

もちろん、ニャンコの年齢や臓器の大きさなどでも手術できるかどうか左右される(留置後の不具合のための再手術や、SUBの場合、洗浄が必要なら・・・費用面も無視できない)。

SUB留置後の長期年の予後について、素人では探しきれないし、1.も同様、臨床データの蓄積による新たな証明は、これから・・・といったようだ。

ええ~、なんか難ちいでち。ワビには、でんでん、わかりまてん。

Wabifine79

サヴィの場合、5年前の当時、尿管切開について主治医は言及し、その後の尿管狭窄のリスクと、腎機能回復が見込めない可能性を説明してくださった。研究熱心な先生だから、今となっては、様々な手段を勉強され、万が一の時には、これら人工尿管も積極治療として提案される(あるいは、それに否定的だったりする)かもしれない。

今後、何を選択していくかは私の責任だけど、サヴィやワビを看取るであろう将来に、洗濯したもの・・・それで良かったと思えれば、それでいい。

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コメント

詳しく、分かりやすくありがとうございます。

文献を見る限り、症例数があまり変わらないですね。
術後の生存日数も。
ステントもSUBも、まだまだポピュラーな手術では
ないんですね。

けど、全国的に考えると、やっぱりステントの方が、
ぶっちぎって例が多いだろうな。

う~~難しいな。
とにかく、もう詰まってくれるな、しか今はないな。

ありがとうございます!


投稿: QUママ | 2015年8月20日 (木) 20時04分

clubQUママさん、

サヴィ、考えてみると、あれから5年、本当に何もせず、石で尿管詰まっている様子もなければ、結晶などで膀胱炎になったりもせず。何が良くて、何が悪いのか、正直分からないわ~。

人工尿管の今後の改良や普及が待たれるけれど、シュウ酸カルシウムが簡単に安全に溶ける薬が出来てくれると良いのに~。

ほんと、今できるのは、やっぱ、詰まってくれるな・・の神頼みね!

投稿: サヴィねぇ | 2015年8月21日 (金) 17時20分

 
獣医療も日々進化しているのですね~( ゚Д゚)
そしてそれを、サヴィねぇさんも良くお勉強していらして・・・脱帽です!!
サヴィちゃんはまだ石を抱え込んだままだったんですね。
でもあまり悪さはしていないようなので何よりです。
これからも、大人しくしてくれていますように。
仲間呼んじゃったりしませんように!
頭でっかちになる必要はないけど、でも、獣医さんの話をちゃんと吟味出来るくらいには、飼い主も勉強しなくては、ですね。
本当は何事も無いのが一番だけど、何事かが起こった時に、ただオロオロするだけなのはイヤですもんね。
ワサビ姉妹は心強いねぇさんが居てくれて幸せですね~♪
 

投稿: サヴィ母 | 2015年8月22日 (土) 23時55分

clubサヴィ母さん、

私なんか、ぜんぜん・・周囲の友人、知人から聞いて「そんなに進んでるの~?」とのんびり気が付きませんでした。
医療が高度になり、助からなかった命が助かっていくのはとても素晴らしい事。でも、受けられる・受けさせられる医療に格差も感じてしまう。そして高度になればなるだけ、知れば知るだけ、悩みや迷いが増えるは確かね。

母さんが言うように、素人が頭でっかちになる必要はないと思うわ。短時間で選択を迫られるような事態になったら(そうならない事を祈るばかりだけど)、結局、冷静でいられないだろうし。

今は、少しでもおかしいと思ったら、特に今のサヴィに「様子見よう」はなく、すぐに病院・・・これがベストだと思っています。

そして、どんな医療を受けさせようと、それは飼い主さんが決めること。どれが良くて、どれがダメ・・・というのはないような気がするな。

BCちゃんには、愛情いっぱいの母さんがいるんだもの、うちのワサヴィに負けないくらい、幸せな兄妹よ!

投稿: サヴィねぇ | 2015年8月23日 (日) 00時54分

 はじめまして。
13歳の猫がいます。
尿管結石による腎不全、右腎臓萎縮、左腎臓で頑張ってますが、そちらが2回目の閉塞を起こし、今回、SUBを行うか悩んでいます。
こちらのページに詳しく書かれているので、ネット検索してないからやって来ました。

既に現在腎ろう手術をしていて、痛そうなので更にもう一回切るのか。。。と思うと辛く、左腎臓も少し萎縮している様で、手術しても、長くて一年かなって思うとこの子にとってどうする事が幸せなのかなって悩んだりしています。

毎日泣いて、今はそれでも、もう少し一緒にいたい!!っていう気持ちが芽生えていて、少しでも長く一緒に居られるならやっぱりやろうかなって傾きつつあります。

また訪問させて頂きます。

投稿: ヨナ | 2015年11月28日 (土) 07時55分

club ヨナさん

私の稚拙なblogにご訪問ありがとうざいました。
猫ちゃんのご様子から、ヨナさんのお気持ち、少なからずお察しいたします。

SUBに踏み切るか、本当に悩みどころですね・・・
医療の進歩に感謝しつつも、本当に何が「正」なのか、私もいつも悩んでいます。
8年前に愛ネコの腎不全を看取った時は、SUBなどの技術は考えられなかったですが、「輸液を停める、続ける」だけで自分が胃痙攣起こすほど悩んだものです。

でも、こんな悩みを持つのは、ヨナさんの猫ちゃんを愛する気持ちの表れ。それには疑いがないはずですから、悩みが深いだけ愛情が深いんだ!と自信をお持ちくださいね。

ヨナさんの手術への心の傾き、それはそれで正しいと思います。おそらく、どんな選択でも、それによる結果で、また悩みは生まれるのかと。そうしたら、また悩んで選択をする、そうやって前へ進むものですものね。

これからの命の長さを、年月というモノサシで考えると切ないと思います。ヨナさんと猫ちゃんの今の一瞬一瞬の時間の積み重ねは、年月で測るものより、絶対にずっと長いものになるはずです。

ヨナさんの猫ちゃんは、ヨナさんに、こんなに想ってもらえてとっても幸せな子。

少しでも穏やかな時間がヨナさんと猫ちゃんに流れますように!

投稿: サヴィねぇ | 2015年11月28日 (土) 12時17分

サヴィねぇさん
丁寧なコメントありがとうございます。
感謝いたします。
このいたたまれない気持ちを誰かに分かって欲しいという思いもあるのだと思います。

今日病院に行ったのですが、腎臓の機能は更に悪化していて、動いていた左側も萎縮し始めているそうです。
なので、SUBをしても先は長くないみたいです。

でも、既に腎瘻をしているので、それを取る手術は必要で、そうなるともう一度お腹を切る事になります。
それなら、SUBしてもらった方が、再び閉塞が起きても少なくともおしっこが出ない苦しみはなく死ねるのではないかと思い、手術お願いする事にしました。

先生も、適応や生存率を先生が持っているデータで説明してくれましたが、まだうちの子の様な腎臓がかなり悪化している症例はないらしく、五分五分、少し優しく言って六四くらいで成功くらいと説明してくれました。

回復にかけると言うよりも、少しでも苦しみを取るためにと思っています。

投稿: ヨナ | 2015年11月30日 (月) 17時26分

club ヨナさん、

猫ちゃんは実際の身体的苦しみを、ヨナさんは、それを見守るしかない苦しみを味わっているかと思うと、私も言葉に詰まってしまいそう。

獣医さんは専門知識とデータによる予測を偽りなくご説明くださったのですね。
適応の確率、生存率などの数値よりも、少しでも痛みや気持ち悪さから解放されるなら、それは猫ちゃんにとって大きなこと!
ヨナさんの信じた選択を、獣医さんがバックアップし、何よりも、猫ちゃんがそれを受け入れてくれると思います。

人間が考えているより、動物って強いなと思わせてくれると思います。
看病は辛いことの方が多いけど、看病の中で笑いのある日々もあります。一杯猫ちゃんに笑いかけてあげてください。
書くことでお気持ちを整理することができると思います。私でよければ、いつでもお気持ちのシェアさせてくださいね。

投稿: サヴィねぇ | 2015年12月 1日 (火) 01時51分

こんにちは。
少し日がたっておりますがその後どうでしょうか?
我が家の猫も本日SUBシステム手術を受けます。

手術自体はもちろん、その後の様子がどうなっていくのかも症例が少なく情報がないためものすごく不安です。

実験や症例集めの材料になるような・・・そんなマイナスの印象も受けてしまったりしたのですが、うちは急性腎不全に加え水腎症と一刻も早い処置が必要ということで・・・。悩む間もなく夕方から手術を受けることを決断しました。この決断がいい結果であったと思えるように
なりたいです。。
長々とすいません・・・。

投稿: にん | 2016年12月 3日 (土) 15時07分

clubにんさん、

にんさんの猫ちゃん、SUB手術後の返信コメになってしまいましたが、急性腎不全から脱し、そして徐々に安定していくことを心から願っています。
急性の腎不全、水腎症になった猫ちゃんを前に、にんさんの心境、お察しいたします。

うちのサヴィは、結晶が詰まったままの尿管はそのままで6年が過ぎました。当時はSUBどころか、ステント手術の存在も知らずで・・・。
ここへコメントをくださる方々の猫ちゃんがSUB手術を受けた、迷っておられる等、知らせてくださいますが、やはり新しい技術によりその後の様子は、これから猫ちゃんたちが証明してくれる...という印象は否めません。
それでも医療は確実に進んでおり、SUB手術ができる病院、先生がいる、何よりも猫ちゃんの腎臓状態が施術可能であるというのが今の最善だとも思われます。

サヴィも、今は猫には症例が少ないといわれる、(おそらく)腎細胞ガンからの造血で、先生と毎週、毎週、「何ml血を抜けば、どうなる?」と試行錯誤です。場合によっては、サヴィの治療は何かのデータとして蓄積され、次の医療の発展に・・・そんなことをチラっとも考えたりします。

私たち人間には、いくつもの選択肢が用意され、何を選ぶかで、猫ちゃんにとって良い・悪いが決まってしまう、そう思いがちです。
私もサヴィに対しての決断をいつも悩み、決断したら、それが正解でもあり不正解でもあると思っています。
でも、それで良いのだと。猫への愛情が真剣であるから悩みが深い=愛情の深さでもあるわけですから!

今のにんさんの猫ちゃんを見てあげてくださいね。「今」をたくさん重ねて過ごすことが、にんさんと、猫ちゃんにとって「結果」ではなく、それ以上に大切な何かになるんだと・・・、そう願わせてくださいね。

猫ちゃんの一秒でも早い回復を祈っています。

投稿: サヴィねぇ | 2016年12月 3日 (土) 22時49分

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